ポルシェは3月3日、『911ターボS』新型をオンライン発表したばかりだが、ダックテールスポイラーが装着された謎のプロトタイプをカメラが捉えた。
ダックテールスポイラーといえば、ポルシェ史上最高のモデルとも言われる1973年『911カレラRS 2.7』(通称ナナサンカレラ)で初めて採用、同社にとって長い歴史を持つ。
ナナサンカレラ
11カレラRS2.7(1973年限定生産)グループ4のホモロゲーションを取得するため911S/2.4をベースに当初500台が限定販売されたもので、ボディを軽量化し、内径φ90 mm×行程70.4 mm、圧縮比8.5で、2,687 ccで210 PS/6,300 rpm、26 kgm/5,600 rpmの911/83型エンジンを搭載した。
ツーリング、スポーツ、レーシングの3グレードがあり、スポーツグレードの重量は960 kg。当初の生産台数はすぐに売り切り、1,000台以上が追加生産されたためグループ3のホモロゲーションも得た。日本に正規輸入されたのはスポーツグレードのみで14台。「73カレラ」と俗称され名車として現在まで語り継がれている。
「ナナサンカレラ」復活か?
豪雪のスカンジナビアで捉えたプロトタイプは、イエローのブレーキキャリパー、四角いクワッドエキゾーストパイプを装備していた。ターボSとほぼ同じエクステリアのようだが、リアウィングがカモフラージュされたダックテールスポイラーに置き換えられている。
現段階で断定はできないが、オプションの「ヘリテージ・デザインパッケージ」、「カレラRS 2.7復刻版」、「スポーツデザイン」「エアロキットパッケージ」、あるいは997世代限定の「スポーツクラシック」の復活などが予想される。
プロトタイプのキャビン内を覗くと、後部にロールケージが装備されており、リアシートがない可能性がある。ポルシェは911ターボSの2シーター軽量バージョンを示唆しており、このプロトタイプの関連性も考えられる。
911ターボS新型のパワートレインは、3.8リットル・フラット6ツインターボエンジンを登載し、最高出力は650ps、最大トルク800Nmを発揮、0-100km/h加速は2.7秒、最高速度330km/hを誇る。軽量スペシャルモデルが登場すれば、パフォーマンスの向上も見込まれる。
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